第1章 冷めた紅茶、悲しき真実(リヴァイ、シリアス)
『兵長…やはり彼女が「女型の巨人」だったそうです』
リヴァイの元に現れるなり長い睫毛を伏せ、辛辣な表情のままポツリと真実を告げるスチア。
その言葉に「そうか」とただ一言放つリヴァイ。
『彼女見たいな巨人は他にもいるのでしょうか?』
「さぁな。居るんならさっさと燻り出して始末しねぇとな」
『燻り出すなんて…兵長やっぱり怖いです』
スチアは苦笑いしながら二つのカップ紅茶を注ぎ、片方をリヴァイに差し出す。
紅茶に口をつけて一言、
「やはり、お前の紅茶が一番だな」
その言葉に照れ笑いながら『ありがとうございます』というスチア。
しかし、笑みを消し、窓の方に歩み寄る。
『ねぇ、兵長。もし、もしですよ…?もし…私が彼女みたいに巨人だったとき…私はどうなるのでしょうか?』
ありもしない事を例え出すスチア。
彼女の視線は窓の向こうをじっと見つめている。
「そーだな…。もしそんな事があったとしたら。その時は俺が削いでやるよ」
『ふふ、やっぱり兵長は怖いです』
振り向いたスチアはいつも通り苦笑いをしている。
少し冷めてしまった紅茶に口をつける。
「…まぁ、まずそんな事があっては困る。お前がいなくなったらこの紅茶が飲めなくなっちまうしな」
その一言にスチアはまたも微笑む。
しかし、どこか悲しそうに。
(兵長、私にはやっぱり荷が重かったのかもしれません。けど、今の兵長の言葉…少し楽になりました。もし、その時が来たら…。貴方の手で、終わらせてくださいね…)