第2章 I want you to know
マイキー「まぁ分かって貰うのは難しいだろ」
マイキーの顔はどこか寂しそうで、けど嬉しそうなよく分からない顔だった。理解して欲しいんじゃないって、言っているのかな。
「けど、マイキーたち良い奴だし、優しいし…」
もしそうマイキーが思っているのなら良い気はしない、私はマイキーの方に顔を向けた。
マイキーはネオン街なんかでかき消された夜空をジーッと見てから私の方を見て口を開いた。
その時の顔は初めて会ってから一番に優しかった。
マイキー「…俺らをお前がそう思ってくれてればいーよ」
「…マイキーのかっこつけ」
マイキー「うっせ」
と言ってマイキーは私のおでこを人差し指で小突いた。
喧嘩だと一蹴りで相手を倒すのに、今のは全然、これっぽっちも痛くなかった。
隣で、タカちゃんが笑った。
やっぱり、男の子がよく分からないのかもしれない。
タカちゃんは慣れた手つきで父に叩かれた頬を見てくれた。
口をアーと開けて、口内も確認してもらった。
血は出ていなので切れたとかは無いらしい。
だがタカちゃん曰く、頬は綺麗に腫れているらしい。
三ツ谷「頬の腫れ…一応冷やしておけば大丈夫だろうけど…痛いよな」
タカちゃんは本当に優しい。
こうやって、妹ちゃん達を見る時みたいに優しい目をしてくれる所がたまらなく優しさを感じる。
「ううん、大丈夫。ありがと、タカちゃん」
この優しさを貰えれば、痛みなんてへっちゃら。
笑顔でお礼を伝えた。
三ツ谷「今日どうする?帰れるか?」
「うん…帰らなきゃ…行く所もないし」
タカちゃんは本当に優しい、自分からは多分帰るなんて私は言えないだろうから、こうして選択肢を与えてくれる。考えろって教えてくれる。
三ツ谷「それもそうか…」
マイキー「…良し」
少し黙っていたマイキーが急に何かを閃いたように声を出した。
何事かと、私とタカちゃんはマイキーの方を向いた。
「?」
いわゆるヒラメキポーズ。
右手を平にして左手のグーをポンと乗せる形。それをしたマイキーがいた。
マイキー「俺の家でお泊まり会するぞ」
三ツ谷「は?」「は?」
やはりマイキーが良く分からないのか。