第2章 I want you to know
彼らと出会ってから早2年…
色々とあった、その中には悲しい事も。
けど、それが私を育てたし強くした。
家で本を読んでいたり、キャピキャピと女友達と遊んでいたら経験出来なかった事ばかりだ。
私は聞いていた情報通りに、神社へと向かった。
彼らが良く集まる場所で、私も良く行く場所だった。
着いた頃、そこには黒い服に白のジャンバーを着たマイキーと、マフラーを口元まで巻いているタカちゃんがいた。
私の登場に驚いているわけでもなく、いつも通りに「どうした?」とマイキーは言った。
タカちゃんもいつも通りだ。
その言葉に何故か安心をして、私はとぼとぼと彼らに近寄りマイキーの隣に腰を下ろした。
その様子を無言で見ていたタカちゃんも、私の様子がいつもと違うと思ったらしくゆっくりと私の隣に座った。
さっきまで寒かったのに、すぐに暖かくなった。
それが体で感じている体温なのか、心が感じている温度なのかは分からない。
だが、かってに口が開いてここに来た経緯を説明しだした頃にはどちらの暖かさだったかなんてすぐに理解出来た。
「なんで分かってくれないのかな…」
膝を腕で抱え、短パンのせいで冷えている膝を温める。
涙をグッとなんども堪えていたのか自分でも分からないが、体に自然と力が籠った。
やるせなさ、と言った気持ちがあるのだろう。
一通り話し終えるとマイキーは「うーん」と少し笑った。
タカちゃんも。
それからタカちゃんは自然な動作で私の頬を撫でると、「叩かれたんだろ」と言って、まるで分かってるんだぞと言っているような目で言った。
マイキーは「はは、これで『パパにも殴られたこと無かったのに』は言えないな」なんて言い出した。
私は真面目な話をしていたのに、急にふざけ出すマイキーに少し呆れ半分、そりゃそうか、こいつらにはどうでもいいことか、なんて思えた。
一息ため息を零せば、マイキーはまた少し笑った。
多く時間を共に過ごすがやはりマイキーは謎が多い…。