第8章 すっぴん
「…なーに」
「んー?怒った顔もカワイイな~って」
「っ」
「ね。キスしていい?」
「へっ?こ、ここで?」
「うん」
「―――…」
「だって。もうすっぴんでしょ?やっと俺のハルちゃんに戻ったから」
「お、俺の、って…」
「もっと素顔みせてよ。素顔のままでいて。俺の前では、まんまのハルちゃんでいて」
「…」
「ね?」
「…」
「じゃ、キスしていい?」
「…ヤダ」
「おい~?」
「んふふっ。うっそ♪」
「だと思ったけどっ。待てこらっ。ものすごいのしてやるっ」
「ヤダヤダ、それは絶対いや~っ!」
ごめんね、相葉くん
私、やっぱり素直じゃなくて
でも
ありがとう
この気持ちが、どんどん芽吹いてる
あなたとはじめた恋が
どんどん、育ってる
だから
「ヨシつーかまえたっ」
「んぅ~」
「…ハルちゃん」
「…」
その瞳にうつる私は
あなたの前ではずっと
素顔のままでいるね
もう偽らない
この気持ちを、ちゃんと大事にする
もう、抑えなくていいんだよね?
これを
いつも笑顔とやさしさに溢れてるあなたを
見ていたいって思う、気持ち
私
ちゃんと、恋してるよ
ほら
ちゃんと、ドキドキ、してる…。