第8章 すっぴん
「ちなみに、前回初めて来た時は…玄関までしか入れてもらえなかったしね?俺、確か靴も脱いでないから」
「…よく覚えてますね」
「ガード固ぇなーって。ずーっと狙ってたんで。あー嬉しい。城に潜り込めただけで世は満足です、姫!」
「あはははっ。誰?誰なの??」
「ふふふっ。さ、シャワー浴びよう、ちゃっちゃと!そして寝室にも進撃じゃー!!」
「えー…。なんかヤダなぁ。テンション下がってきちゃった…」
「大丈夫、俺がその分アゲアゲだからっ♪」
「温度差!」
「ふふふっ。あ、いいよ?この際。お風呂でしちゃっても♪」
「…」
はい?
「それともリビング?あ、もしかしてそういうプレイが好きとかっ?」
「…」
「マジで言ってよ?そういうことは。俺、全然合わせるから!ねっ♪」
「…。もー、やだぁっ!!」
それしか頭にないわけ!?
「え、何が?え?でもさ、ほら。マジメに!そういうの大事でしょ?ねえ?」
「もー知らなーい」
「や、俺は知りたい!ね、ハルちゃん待って…アッ」
ピシャッ!
脱衣所前で、締め出し。
コンコン、コンコン
「ちょっとぉ~?一緒に入ろうって言ったじゃ~ん」
「知らない」
「ハルちゃぁん…」
カリカリ…
「ドア引っかかないで」
「あうぅ~…」
カリカリ、カリ…
ドスン
諦めて座っちゃった?
気にしないで服を脱ぐと、そのまま浴室へ。いつも通り、シャワー全開。まずはメイクオフ。
…なんか、全然音しなくなっちゃった。