第3章 聞き耳
相「…でもさぁ。真面目な話、やっぱ俺…不安なんだよね。男としても」
マスター「男としてもね(笑)」
相「俺、けっこー強引にいっちゃったしさ…。ハルちゃん優しいから、スゲー妥協して付き合ってくれてんのかなー…とかさ?時々、思っちゃうワケですよ」
マスター「ふ~ん?」
そんなこと、思ってたんだ…。
相「あー、ホントこのまま来なかったらどうしよーっ!マスター、閉店まで付き合ってねっ」
マスター「えええ~?」
…相葉くん
相「とりあえず、涙忘れるカクテルはマストね」
マスター「ハハハハ。了解」
冗談ぽいけど、冗談でもないのかな。私、そんな信用ない…?
席を立って、相葉くんの隣に座った。
「…私でよければ、お付き合いしましょうか」
「へ?」
フツーに話しかけてみた。ちょっと声つくったけど。
「ご一緒しません?」
「あ、えっと…。スイマセン、僕、人を待ってて…」
たぶん、自分がバレないように、かな。慌てて顔を隠し気味に俯いた。
でも
ん?って思ったのか、すぐ顔上げて。口元を手で隠しつつ、遠慮がちに私を覗き込んできた。暗がりだからね。もともとわかりづらいんだけどね、店内。
「!!!!ハルちゃ――…」
「「しい――ッ!!」」
思わずマスターとハモッちゃった。
そして
即興ドッキリがバレて、私より怒られるマスター(笑)。