第9章 豊臣の若紫【イケメン戦国】
「縁談……ですか?」
信長様に呼ばれ天主にて向き合った途端、告げられた言葉に俺は息を飲む。
「いや……然し…」
「何だ、秀吉?
何か問題が在るのか?」
「いえ、問題というか……その…」
「要領を得んな。
言いたい事は正直に言わんか!」
「あの、主君が未だであるのに
俺が先に娶るというのも可笑しな話かと……」
思い切って告げた俺の思いに信長様は珍しく一瞬呆けた様子を見せてから、にやりと口角を上げて答えた。
「誰が貴様の縁談だと言った?」
「は……?
では…誰の……」
「だ。」