第6章 黒い甘露【イケメン戦国】
「んうっ……
もう……もうっ……」
「果てるのか……?」
「達きそ……」
「うん……俺もだ。
じゃあ今夜は何所に欲しい?」
「………え?」
「何所に射精して欲しいか教えてくれ。
腹の上か……口に注ぐか……
それとも……腟内かい?」
初めて聞かれた問いに戸惑う。
此れ迄は当然の様に、私の腹の上に吐き出していたのに………
其所で私は漸く悟った。
いつか必ず私に殺されてやると言いながら、信玄が選んだのは《二人で生きる道》なんだ……って。
だってもう、私は冷徹で傲慢で……
でも誰よりも優しい此の男から離れられない。
甲斐の虎、武田信玄は私を雁字搦めにして身も心も溶かして仕舞う甘露。
じゃあ私が選ぶ可きなのは………
確信的な笑みを湛えた信玄の首に両腕を巻き付け自分に引き寄せてから、私は其の耳元で囁いた。
「中に……頂戴。」
「…………上等だ。」
其の後、信玄は力強い抽挿を繰り返し、ごんごんと突かれた最奥に信玄の熱が注がれた瞬間、私は此れ迄で一番の深い深い絶頂を迎え……
与えられた快楽に遠退く意識の中で聞こえたのは、柔く優しい信玄の声だった。
「………
俺達は、達く時も……
逝く時も……
必ず二人一緒だ。」
了