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【進撃の巨人】御影石【激裏夢】※加筆修正中

第13章 ★星の下★


 人の気配で目を覚ます。知らない天井。いつぞやに行った医務室に似ているので、おそらく調査兵団用の医務室なのだろう。
 体を起こすと腰に痛みが走った。が、動けないほどでは無い。窓際に近づき窓を開ける。

「気分は?」
「良くは無いかな。こんな所にまで中央が居るって事は、きっと良くない事でしょうし」

 それから私の知らない所で起きた話を聞かされた。ミケ分隊長が私に手を出したのはエルヴィン団長からの指示だった。最後まで手を出したのはミケ分隊長の独断。最後の言葉はどうも本心らしい。エルヴィン団長が何故私に手を出すのかは相変わらず不明だが、きっと中央憲兵に使える駒として、二重スパイとなる可能性も捨てきれないという事。
 地下牢で渡された紙には、火で炙ると文字が浮かぶ仕掛けがしてあった。

“エルヴィン・スミスを抹殺せよ”

 そう書かれていた。
 明日行われるエレンの審議会。その審議会でエレンを調査兵団に取られる事は避けたいのだろう。

「ねえ、エレンを泳がせれば、他の巨人化能力者を炙り出せるんじゃないの?」
「絆されたか?」

 そうかもしれない。私はきっと、エルヴィン・スミスを殺したくは無いのだ。だから、昨日もミケ分隊長の責め苦をわざと受けた。逃げようとも避けようとも思えばいくらでも出来た。
 この手は既に真っ赤。今更一人増えた所で気にならない。はずなのに、刃を向けることが出来ないのは何故だろう。リヴァイ兵士長にしても、本気で心臓や首を狙いにいけないのは私がただただ甘いせいか。

「どちらにしろ、明日までにエルヴィンを殺るのは無理ね」
「もし調査兵団がエレンを獲得した場合は追って連絡する」
「了解。でも、審議会では調査兵団として動くから、そのことはケニーに伝えておいて」

 窓を開けたままベッドへと腰掛ける。気配が消えていくと思いきや、廊下を歩く足音が近づいてきた。そして、ゆっくり静かに扉が開いていく。そんなにビクビクするならノックすればいいのに。
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