第12章 ★脅迫★
監禁生活三日目の朝。
クリスタとユミルによって私の荷物整理が行われていたらしく、その中に真新しい封筒があるのを発見し、私を探していたところに運よく私の事を知っている誰かが遭遇。それで、今、その封筒が私まで渡された。
ちなみに、封は切られており、調査兵団幹部の皆様は既に内容をご存じらしい。
“護衛対象の追加。貴殿はエレン・イェーガーを最優先で護衛されたし。調査兵団への転属を命ずる。検討を祈る。裏切り者の誅殺ご苦労。引き続き、楽しまれよ”
「楽しめるかあああああっ!!」
灯りの火に手紙を晒し燃やす。燃えカスが残っていない事を確認すると、私は思わず叫んでいた。
「ええ、ええ。知ってますよ!? 殺したことも報告せずともバレている事ぐらい知ってますよ! 経験してますよ! ええ、ええ! そうでしょうね! ああああっ!」
つまり、深夜のアレもバレているわけで。見るなよ! 察しろよ! そんな事報告しなくてもいいでしょうに!
なんてことを考えつつ体をバタつかせる。駄々をこねる子供だ。まだ子供なのだから、許してほしいとは思う。あのメイド服のままなので、下着が見えていようがいまいが今はどうでもいい。ただただ叫ばずには居られなかった。全部ケニーが悪い。ハッキリ言って私は育ちが悪いのだ。
盛大な溜息をついたところで、思考を元に戻す。
二人の護衛。一人はレイス家の末裔。レイス家に何かがあった時用の保険として死なれては困るだろう。中央第一憲兵団はその為にあるといっても過言ではない。そして、もう一人。エレンだ。何故こうも一〇四期に固まるのかは謎だが、それは言っても仕方ない。