第10章 ★入浴★
言われたとおりに開脚すると、お尻の方まで刃が当てられた。ゆっくりと刃が動くにつれ、大事な物がなくなっていく恥ずかしさがこみ上げる。
「流すぞ」
暖かいお湯がかけられ、見てはいけないと思いつつもつい見てしまった。辺りに散らばる短い毛。そして、隠してくれる物が無くなった自分の股。すぐ生えてくると思うが、いつ生えてくるか不安で仕方ない。
綺麗にされたそこをリヴァイ兵士長は満足そうな顔で見つめていた。途端に、割れ目を指がなぞり体が跳ねる。自分でも気づいてしまった。小さな音が鳴ったこと。滑りがよかったこと。
「オイオイ剃ってやっただけで濡れてんじゃねえか。とんだマゾだな」
「ま……ぞ……?」
「優しくされるよりわざと痛めつけられた方が感じる変態って事だ」
「そっ、そんなんじゃない!」
「じゃあなんで濡れてんだ」
そんなの私に分かる筈が無い。勝手に出てきてしまったソレを止めるすべを知らない。
答えられない私を抱き上げ、再び二人で湯船に浸かった。冷えた体がリヴァイ兵士長の体とお湯で温まっていく。悔しいけど、温もりは心地いい。
レックスは別にして、エルヴィン団長とリヴァイ兵士長は何故私にここまで構うのだろう? ジャンは仲間だからしてきたんだろうけど、団長と兵士長は仲間ではない。まだ。私の配属先はクリスタ次第。それを二人とも分かっているはずだ。朝に始末したあの人から情報は筒抜けだろうから、クリスタの名前も知っているのではないだろうか?
「ここ、エルヴィンが見たらどう思うんだろうな?」
「っ!?」
「悪いがエルヴィンから地下牢に戻せと言われてるんでな。本当はここに閉じ込めておきてえが、団長命令って言われちまったからな」
「……逃げたら護衛対象は人質ですか……」
「俺から逃げられるとでも思ってんのか?」
ああ、そうだった。人類最強様にはまだ勝てた事が無かった。気が重いけど従うしか無いらしい。一人で空を飛べるのはいつになるんだろうか? 下手したら一生籠の中の鳥かもしれない。今はただ黙って従おう。クリスタに何かあると嫌だし。
抱えられて入浴を済ませると、軽く服を着て二人で地下牢へと向かった。