第10章 ★入浴★
「どうしてこうなった……!?」
「うるせえな。風呂くらい静かに入れ」
そう、あのあとリヴァイ兵士長は離してくれる事は無く、促されるままリヴァイ兵士長の部屋に入り、紅茶を頂いた。その紅茶を飲んだら睡眠薬が混入されており、寝て起きたら二人でお風呂に入っていた。ほんと何で? しかも、腰に回された腕は未だに継続中である。人の服を脱がしたのだから、一度は離れているはずなのだが、私の記憶では継続中。エルヴィン団長といいリヴァイ兵士長といい、何故こうもハグが好きなのだろうか? 私を人形か何かと勘違いしているのではないだろうか?
私の人生は、ご都合主義で出来ているらしい。何を言っているのか、私自身にも分からない。
「昨日エルヴィンの野郎とヤッたのか?」
「してないです。エルヴィン団長の物にはなりたくなかったので、拒否したら放置されました」
「ガキのクセにいい判断だ」
ふと、最初に出会った時よりも視線が柔らかい気がした。視線もだけど、気配も優しくなっている気がする。
リヴァイ兵士長の手が私の髪を撫でた。エルヴィン団長よりも硬く分厚い。でも、少し小さい気がする。そういえば、リヴァイ兵士長の身長は割と低いんだな。背中が大きいので大きく見えていた。
「一旦出て座れ」
疑問符が浮かんだが、腕が離れたので離れる為に出ることにした。が、何故かリヴァイ兵士長も出てきた。
「あの……?」
「髪洗ってやる。お前に任せると汚れが残りそうだからな」
「は? え? あの」
「黙ってろ」
というので、大人しく従う事にした。正直髪を洗うのは得意ではないし、おそらく体は既に洗われているようなので、気にしない事にする。それに、いつもトラウテが洗ってくれていたので、洗われる事に抵抗感は無い。