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【進撃の巨人】御影石【激裏夢】※加筆修正中

第6章 トロスト区奪還作戦


 トロスト区奪還作戦、という話が来たのはそのすぐ後だった。涙を流す者、絶望する者、そんな者達が大半を占めた。ならば、なぜ兵士になったのだろう? 殺す覚悟も殺される覚悟も無いのだろうか。家族に会いに行きたい、という声も聞こえる。家族……。もしかしたら私にもあるかもしれない家族。でも、この状況でケニー達に会いに行ってどうするんだろう? クリスタを守れ。そう言われて追い返されるだけだ。それに、今の私にはナイフも銃もある。お守りは十分に揃った。

「ちゅうもぉおおおおおおおおおおくっ!!」

 ピクシス指令と呼ばれる人の声が響いた。ここらへんの総指揮を任されている人物だと聞いた。だいぶ立場が上。壁の上からでも全兵士に聞こえた声。声量すごいな。一斉に場が固まった。

「これより、トロスト区奪還作戦について説明する。この作戦の成功目標は、破壊された扉の穴を塞ぐことである。穴を塞ぐ手段じゃが、まず彼から紹介しよう。訓練兵所属エレン・イェーガーじゃ」

 エレン……。紹介されると、前に出て敬礼した。何だか立派になった、ような気がする。死に急ぎ野郎と呼ばれている彼が、上官と並んで歩いているのが不思議だ。同じ104期から驚愕の声が聞こえてくる。まぁ、気持ちは分かるけど、巨人から出てきた姿を見ると、普通の人間では無い気がする。

「彼は我々が極秘に研究してきた巨人化生体実験の成功者である。彼は巨人の身体を生成し、意のままに操る事が可能である。巨人と化した彼は、前門付近にある例の大岩を持ち上げ破壊された扉まで運び、穴を塞ぐ。諸君らの任務は、彼が岩を運ぶまでの間、彼を他の巨人から守る事である」

 よくもまぁそんな嘘が淡々と思いつくものだ。まぁ、そうでなくては指揮者というのは務まらないのだろうけど。そんな中で、この場から去っていく者が大勢居た。確かに根拠のない仮説の元で組み立てられた作戦だ。しかし、誰かがやらなくてはいけないのも事実だ。

「儂が命ずるっ! 今この場から去る者の罪を免除する。一度巨人の恐怖に屈した者は二度と巨人に立ち向かえん! 巨人の恐ろしさを知った者はここから去るがいい。そして、その巨人の恐ろしさを自分の親や兄弟、愛する者に味合わせたい者もここから去るがいいっ!」

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