第4章 ★初陣:思いの翼★
ああ、そうか。全部媚薬のせいなんだ。あたしは、おかしくない。
『どうされたい?』
ああ、私の中、疼いてる。ほしいんだよね……。
その瞬間、私の体は宙に浮いていた。壁に激突し、全身の痛みで感覚が戻ってくる。巨大な振動で、体が何回も壁に激突した。
ああ、そうだ。私は、巨人に食べられ、凌辱された。こみ上げる嘔吐感に怒りがこみ上げる。それからも衝撃は続くが、衝撃が起こるたびに光が差し込み始めた。それは徐々に大きくなり、すさまじい咆哮が鳴り響く。
私に、家族なんていない。友達もいない。暗い光の無い場所しか知らなかった。それでも、私は――
――オイオイ、オイオイ……何つーツラしてやがる。仮にも女だろうが――
(女? それが、何? 私はただ死にたくないだけ)
――それで盗もうとして失敗したか?――
(次は、うまくやる)
――お前も、あいつと同じ目をしてやがる……しかたねぇ。今日からお前は、俺の雌犬だ――
(セクハラ)
――女はな、女である事を捨てちゃあいけねぇ。女だからこそされる事も多いが、俺が今からお前の上司だ。いいな?――
あぁ。だからケニーは、私が人を殺すと悲しそうな目をしたのか。お風呂も毎回トラウテと一緒だった。ケニーが過保護すぎたんじゃなくて、私が、私が人を辞めようとしていたのを止める為だったのか。
――俺は、人の親にはなれねぇよ――
(おかげでその人は、地下から飛んで行ったの?)
――あいつにはあいつの居場所が見つかった。それだけの事だ――
(その人が敵になったらどうするの?)
――愚問だな――
(私もいつか)