第2章 ★解散式の夜★
獣のような悲鳴が上がった。だらしなく開いた口から突かれるたびに嬌声が響く。体が弓なりに反れ、目の前がチカチカする。肌の打ち合う音と男二人の息が聞こえる。
「くるっ!! きちゃう、きちゃう、なんかくるぅうううっ!!」
「ほら、ほら! イキなよ。アヘ顔晒してイキなよ!」
「あああああっ!!」
「っ! 出すよ? 中に、出すから、俺の子供産めよっ!! なぁ!! アリア」
「う、む……? いや、いやっ! やめて! 許して! いやああああっ!!」
途端に、レックスの体が離れ、異物感が消えた。終わったの?
「世話かけさせるんじゃねえよ雌犬」
そんな声が聞こえた気がしたが、私の意識は、まどろみの中へと落ちていった。
気が付いたときは、自分のベッドで横になっており、後で聞いた話によると、ミカサとユミルが部屋に運んでくれたらしい。酔いつぶれていたそうだ。服は何事も無く着ていて、ベルトルトとレックスはもう居なかったらしい。
まだ気持ち悪く、着替えを持って浴場へ行こうとすると、服の中に違和感を感じた。漁ると、新品のナイフとメモが出てきた。ナイフを構えてみると、前のナイフより幾分も軽い。どうせなら銃を持たせてほしかったなぁ。
“処女喪失おめでとう。これで、雌犬も立派な女だなぁ。次は助けねぇから、自分の身とお姫様は自分で守れ”
おめでとうじゃねぇし!!
紙を握りつぶし、ロウソクの火で燃やす。誰かが灯りとして灯しておいてくれたらしい。
今度こそ着替えと入浴準備をして、浴室へと向かった。何となく、ナイフがすごく暖かくて心が安らいだ。刃物を見て安心する変態にでもなったのかな……。
違う。ただの気遣いが嬉しいのだ。この三年で、私も少しは人としての感性を持ったのかも知れない。が、セックスだけは二度としない。気持ち悪いし、レックス達も信用ならない。距離を取ろう。そう決めた。今、決めた。
「アニに格闘術でも習おうかな………」