第1章 ずっと大好き 大切な幼馴染み
イースト中学校を卒業して、この春『ストローハット高校』へと入学した。
自分の成績ならもっとレベルの高い所に入れたし、周囲に猛反対もされた。
だが、私はこの高校でなければ駄目なのだ。
その理由は…
「ルフィー!」
「おう!むつき!」
「二年のクラス替えが貼り出されてるって」
「よし、じゃあ見に行くか!」
屈託のない笑みとは、まさにこのルフィの笑顔の事。
ルフィとは小さい頃から仲の良い私の幼馴染みで、私の”大切な人”。
ルフィがこの高校に入るという話を聞いて、なんの迷いもく私もこの高校にすると決めた。
ちなみにルフィがこの高校を選んだ理由は、”ストローハット”という名前が大層気に入ったかららしい。
そんな事で高校を決めるなんて、本当にルフィらしい。
そしてこれを和訳すると”麦わら帽子”。
ルフィが普段被っている帽子だ。
他にも理由をあげると、ルフィのトレードマークである麦わら帽子をくれた人物がこの学校のOBなんだとか。
親には将来の事などで色々と心配されたが、可愛い娘のお願いには逆らえなかったようで、無事ルフィと同じ高校に入学する事ができた。
入学して一年が経ち、今日はクラス替えの日。
この学校の生徒数はそこら辺の高校よりはるかに多いため、今日は自分のクラス発表を確認したら自由時間になっている。
この自由な校風もストローハット高校の魅力の一つだ。
ルフィと掲示板に貼ってあるクラス表を確認していると、ルフィの名前はすぐに見つけたが、自分の名前がない。
(ま、まさか…)
ルフィとは違うクラスの表を確認してみると、自分の名前を発見した。
「…嘘、クラス離れちゃった」
「違うクラスなんて初めてだな」
「先生に抗議してくる…!!」
「まあでも、家も近いし今まで通り朝とか昼とか放課後には会えるだろ?」
「そ、そうだけど…」
そうあっけらかんと話すルフィに、寂しさを感じた。
私と同じ気持ちだと思っていたのに。