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Fate夢 短編集

第6章 【愛しいあなた】FGO/ロマン夢


『何か、考え事をしてるの?』
「・・・今日は、一緒に寝たい、な。」
『っ・・・もちろん』


紅潮する頬をロマニが撫でてくれる。幸せな想いに満たされながら、シーツの中に二人でくるまった。私を抱きしめるロマニは幸せそうにふにゃりと顔を緩めた。ふと、幸せに包まれているとドクンと、今朝の夢が私の脳裏によぎった。
急に硬直した私に、不思議そうにロマニは私の髪を撫でながら訊ねた。


「どうしたの?」
『・・・・大好きだよ、ロマニ』
「っ・・・ぼ、僕も大好きだ。沙織ちゃん」


咄嗟に誤魔化してしまった。
ロマニは頬を赤くして、幸せそうに笑いながら、私にすりすりしてきた。そして、優しいキスが私の額に落ちる。
この瞬間がずっと続いてほしい。ずっと、彼のぬくもりを感じていたい。だけど、この時が続く保証はどこにもない。私はそれを知っている。不安は溢れて言葉になっていた。


『ロマニは、どこにも行かないでね・・』
「ん?どうしたの、急に」


最初は甘えているのかと思っていたロマニも、真剣な顔で自身の背中に回されている手が震えているのを感じて、私を安心させるように、より一層私を抱きしめた。


「大丈夫、大丈夫だよ。僕は沙織ちゃんの前からいなくなったりしない。でも、此処では何が起こるのか僕でも正直分からない。だから、もし、僕に何かあった時は、・・・・」
『だめ。ロマニ以外はだめなの。それは絶対だめ。嫌だよ、ロマニ』
「・・・じゃあ、沙織ちゃんが僕をまた繋ぎ止めて、ね」
『・・当たり前、だよ。ロマニ・・ロマニ・・』
「沙織ちゃん・・」


目と目が交わり、そのまま、唇を重ねた。長く、深いキス。熱い吐息が二人を更に熱くさせた。そっと唇を離すと、透明な糸が名残惜しそうに二人を繋いだ。


『何があっても、離してあげないんだから・・っ』
「可愛いね、君は本当に。こんな愛しい君を置いて、僕がいなくなるわけないじゃないか」
『って・・だってぇ・・・ん』
「ん・・・ちゅっ・・・大好きだよ、沙織ちゃん」
『ロマニぃ・・・大好き・・っ』


それから二人で24時間。
束の間の恋人の時間を堪能した。
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