第4章 藤の花の家紋の家 ~悲鳴嶼行冥~ 中編 【R18】
私の夜着の裾を割って、行冥君の武骨な指が内股をなぞる。
そして
「あぁ、こんなにも……私は……」
行冥君は一人言のように、ぶつぶつと呟きながら近くにあった手拭いで内腿を拭き取ると、今度は指で
内側をぐりぐりと探り出した。
「!!!」
だ、ダメっ!!!声を出しちゃ……
でも行冥君の指が私の内を掻き出すように、動かしていく。綺麗にしようとしているだけなんだからっっ……
でも……
「んっ……」
我慢出来ずに、声が漏れた。
すると行冥君の指がピタリと止まり……
彼の膝の上に座っていた私は 臀部に当たる固い物を感じた……
「も、申し訳ない!!!そんなつもりは……」
慌てて私の夜着を直し、ぎゅっと抱き締めてくれる行冥君。私が思っている以上に慌てた彼は
「い、痛いよっ!行冥君っ……」
力一杯に抱き締めてきたので、骨のきしむ音がした。
「も、申し訳ない!!!」
今度は、バッ!と畳の上に私を放り投げた!?
ドスン!と部屋に響いた。
行冥君が今度は真っ青な顔をして、私の方を見ている!
「ぷっ……あはははははっ!!!」
私はお腹を抱えて笑ってしまった。
すると行冥君は頭を掻いて……
「鬼に遭遇しても、ここまで慌てたことないのですが……」
「ふふふっ、本当に楽しい。行冥君と居ると」
「いや、申し訳ない……」
今度は私の手を引いて立たせてくれた。
私はその手をとって立ち上がると、行冥君に抱きついた。そして
「続きは今夜……ね?」
そう言うと、
「……は、はい」
と返事をして 真っ赤になる行冥君。
だけど私達は知っていた。
この時間が長く続かない事を……