第2章 睡魔-SUIMA-
「ロー…」
「ゆき…」
自分のベッドの上で、ローと見つめ合う。
今日は久々に彼氏のローとお泊まりデート。
ローが私の家に泊まりに来てくれたのだ。
普段から仕事が忙しく、会える時間は少ない。
同棲の話は進んではいるが、新しい住まいへの内見に行く暇もなかなかとれない。
二人とも、いわゆる“ワーカーホリック“というやつである。
それでも、なんとか今日のように会える日を作って、付き合い始めて二年の月日が流れていた。
どちらからともなくキスが始まり、ローの手が私の下着の中へと侵入してくる。
「んっ…」
「今日はたっぷり可愛がってやる…」
そうニヤリと笑いながら、ローの指が直に敏感な所へと触れてきた。
それだけのことなのに、身体中が一瞬震えた。
ゆっくりと、その部分にローの指が侵入してくる。
ローから与えられる久々の快感に、身体がだんだんと熱を帯びてきた。
やがて自分から発せられる声も吐息まじりになる。
「あッ、ローッ…」
「随分濡れてるな…、自分で弄ってたのか?」
普段からぶっきらぼうなローの口調。
今の状態だと、いわゆる“言葉責め“という事になる。
ローの声が私は好きだ。
そんな声が直接耳から入ってくるだけで、今の自分にとっては快感の材料になってしまう。
そんな言葉責めが終わり、舌と唇で耳を弄ばれる。
耳が性感帯だと自覚したのは、ローと付き合ってから初めての事である。
今まで付き合っていた元カレ達も私を大事に扱ってくれてはいたが、後にも先にも、ローしか私を感じさせることは出来ないのではないかと今では思ってしまう。
そんな中、与えられていた快感が、徐々に弱まってきているような気がした。
ローの指は私の中に入っているが、いつものように快感を与えてはくれない。
焦らしているのか、どういう意図なのか気になりローの顔を見ようにも、上から覆い被さるように抱き締められているため、表情が確認できない。
「ろ、ロー…?」
「あァ…」
すぐに返事が返ってくるが、ついにローの指が動きを止めた。
私の中で。
(ま、まさか…)
「眠たいの?」
そうローに聞くと、今度は返事が返ってこない。
その代わりに、再び指の動きが始まった。