第9章 すれ違う心
「ふっ、初めてにしては上出来だ」
彼は指を抜き身体を起こすと、震える私を見下ろして、口の端を上げた。
「........っ....ふっ..........っく、」
身体はまだ余韻を残して、時折小さくビクンと跳ねる。
自分に何が起こったのかが理解できなくて、とてつもなく恥ずかしい事を彼の前でしてしまった気がして、涙が出た。
「セナ、泣かなくていい。ちゃんと感じている証拠だ」
「うっ、っく、...........っく、」
みんな、あんな風になるの?
あんな私を、嫌いにならない?
「力を抜いてろ、」
「?...........」
泣き喚く時間は私には与えられない。
彼は私の両脚を掴み広げると、硬い何かを、私の濡れそぼつ場所にあて、すりすりと擦り付けた。
「っ...............、まって、私やっぱり.......」
初めて、直に身体で感じる男性のそれは、硬くて熱くて、凶暴な様で......
「もう待てんと言ったはずだ。貴様の言う通りに待ってやったらこのザマだ。もう誰にも貴様の初めては奪わせん」
焦れた声で彼は言うと、動きを止めて彼のモノを押し当てた。
「いっ..........」
「っく、セナ力を抜け、これでは入らん」
「やだ、...........痛い、うぅーー」
怖い怖い怖い!
「セナ、」
「ん..........」
彼の唇が重なった。
ピチャ、ピチャ、と私の唇を優しく舐めてはチュっと、何度も角度を変えて啄んだ。
「んっ............ん」
少し力が抜けると、舌が差し込まれ、さらに深く口づけられていく。
蕩けそうな心地になった時、再び下半身に痛みが走った。
「っ...............」
指の時とは比べものにもならない、裂けるような痛みに、彼が挿入ったんだと思った。