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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第7章 キャンパスライフ



今日は仕事がオフだ。

と言うか、雑誌の仕事しかしていない為、撮影期間が終わると、次の撮影までほんの少し間が開くから、何のオーディションにも受からない私は日中とても暇になる。忙しいかと思うと急に暇となる。厳しい世界だ。


その雑誌だって、まだふた月分しか出ていないし、出ているページ数も少ないから、大したギャランティは振り込まれない。はっきり言って、バイトでもして食い繋ぎたい所だけど、オーディションの書類が通ったと連絡が入るのが前日と言うのが当たり前の中で、中々バイトにも手が出せない。

とりあえず目の前の事を頑張るしかない私は、遅れを取り戻すべく、大学へと通う。


高校の時、仲の良かった子たちは皆、別々の大学や短大へと行ってしまい、サークルや部活にも入らず、仕事で講義も休む事が多い私は、顔見知り程度の人はいるけど、仲の良い友達はまだいない。


午前の講義が終わり、午後までの時間を潰すため、校内のコンビニでヨーグルトとサンドイッチを買って、運動場の見える外のベンチに腰掛けた。

トラックを見ると、わずかなお昼の時間でも走って練習する人の姿が見える。



「.......気持ち良さそう」


トラックを走っている人を見るだけでも心が落ち着く。欲を言えば、近くまで行って走る音も感じたいけど、そこまで行ったらトラックの土を感じたくて、寝転んでしまいそうで、不審者となりそうで近寄らない様にしている。


「あのまま陸上続けてたらどうなってたのかなぁ」


あの時事故に遭ってなければ、走る事は続けてたかな。きっとモデルにもなってないし、社長にも会わなかったのかもしれない。


そー言えば、彼は何で私のことを知ったんだろう?ネットニュースになった時も、顔も名前も伏せてあったはずなのに.......


この間のジムの一件から、たまにエレベーターや廊下ですれ違う以外会ってないし、きっと嫌われて捨てられてしまったんだろうけど、律儀にピルは飲み続けてる私はもう、手遅れな程彼が好きらしい。


遊びでもいいから。と思う気持ちも本当で、セフレにはなりたくない。と思う気持ちも本当。


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