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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第36章 休暇



市とベルをハワイの自宅まで送った私と信長は、自宅前に停めた車の前で二人に別れを告げショッピングモールへと行った。


携帯とほぼお金の入っていない財布をバッグに入れて持って来ただけの私の衣類一式(ほぼ信長チョイス)と日用品をどんどん買っていく信長に、家族のいる自宅に寄って行かなくてよかったのかを何度か聞こうと思ったけど……、多分、付き合い始めたばかりの私なら聞いていただろうげど、1年以上彼を近くで見て来た今の私には何となくだけど理由が分かり、聞く事はできなかった。


「他に必要な物はないな?」

「あ、うん。ありがとう」

あれこれと信長の家庭の事情を頭の中で考えている間に買い物は終了し、私たちはまた車に乗り込んで空港へと向かった。


「あれ?また空港?帰るの?」
(ここでゆっくりするんじゃ…)

「ここは忙(せわ)しい。もっと静かな島へ移動する」

そう言う彼にまたまた連れられ飛行機に乗る事30分。





「………わぁっ!」

私たちは、自然豊かな島へとやって来た。


ついさっきまで超観光地だっただけに、目の前に広がる大自然に目を奪われる。


「ここはあまり観光客も来ない。よって人目を気にする必要がない」

「そうなんだ…、こんなに綺麗な景色を二人占めできるなんて贅沢だね」

彼の言う通り、閑散期ということもあってか、降り立った空港もひっそりとしていてほとんど人の姿が見受けられなかった。


「ふっ、今のうちによく見ておけ。この後貴様は俺しか見る事ができなくなるからな」


「っ………う、うん」


ふふんと不敵な笑みを浮かべて私の頬を撫でると、信長は手配してあった車の運転席へと乗り込んだ。


「心臓もつかな…」


これから行く先で起こる事を思うだけで、もう心臓が口から飛び出しそうだ。


「セナ行くぞ、早く乗れ」

「あっ、待って!今行く」

食材を買ってる間もずっとソワソワとワクワクの狭間で心は落ち着かなかった。




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