第28章 情報もほどほどに
私が専モを務める雑誌は、20代の女性をターゲットにしている為、時に男女のセクシーな内容を取り上げることもある。(私と信長がこの間撮影したみたいなのもその一つ)
「ん?今回のテーマは”男が萎える時”!」
送られてきた新刊を手に部屋へ帰り開くと、カバーからして過激な見出しが踊っている。
信長と付き合いだして約一年半。
日々満たされて幸せなだけに、果たして信長は?と思わないわけではない私は、いとも簡単にこの手の内容に引っかかる。
「えっと、なに何?ベッドで男が女に萎える瞬間5項目。え〜5つもあるんだぁ〜」
ふむふむと、1項目ずつ、私はページを凝視して行く。
”必要以上にやたらと恥ずかしがる”
「あ、これ私の事だ」
“顔を隠したがる”
「あ、これも当てはまる」
“そんなに?って程声が大きくて喘ぎ声が可愛くない”
「っ、声…大きい気がする。いやでも聞かせろって言うじゃん?喘ぎ声が可愛いかどうかなんて分かんないよ」
“ムダ毛が見えた時”
「これは無い」
“反応が薄い、または擽ったがる。気持ち良くないのかよって思う”
「……あれ?ムダ毛以外、全部当てはまる?」
あれ、あれ、あれれ?
一応モデルをしているので、ムダ毛処理には抜かりが無い(永久脱毛してる)けど、その他は…
「反応は薄くないけど(むしろ過剰反応?)、擽ったい時はある。それもダメなの?」
ふっと、耳に息を吹きかけると肩が窄まるほど擽ったくてついつい逃げちゃうけど…
どうすればいいの!?
意味がわからないので再びページを深く読み進めて行くと…
【余り擽ったがられると萎える!俺の愛撫が気持ち良くないのかよって思う】
と男性のコメント…
「えっ、えっ!違うよっ、擽ったくてぞくぞくするのも気持ち良さからだよっ!」
果たして誰に言っているのか、一人しかいない部屋で私は雑誌のコメントに反論する。