第24章 大人な彼との付き合い方
「ん...........まっ、んんっ」
油断していたから、奪われるようにされるキスは呼吸も思考も全てを私から性急に奪って行く。
さっきまでずっと耳に届いていた政宗さんのシャッター音が次第に薄れ始めた。
「ん.........ん........はぁ...........っん」
信長の胸元を握る手の力も抜け始めた。
どんな媚薬よりも危険で甘い信長のキスは本当に気持ち良くて、特に頭を支える様に持たれ力強く唇を重ね貪られると、途端に身体がふわふわと熱に浮かされてしまう。
「ん、....はっ、.............んっ、ん、」
長い舌と柔らかくて熱い唇にどんどん溶かされていく。
チュ、チュッ、ピチャ、っと私の思考を麻痺させていく卑猥な水音はきっと周りの人にも届いているのに......もっと舌を絡ませあいたいと口が求めてしまう。
「んっ、...........信長.....」
すっかり我を忘れ、甘い声で信長を無意識に求めてしまい.......
「おい政宗、いつまでさせるつもりだ。このままだとセナがもたん!」
信長は唇を離して政宗さんに物申した。
「なんだ、残念。これからだったのに」
おもちゃを取り上げられた子供みたいに残念そうな顔をして、政宗さんはカメラから顔を離した。
すっかり骨抜きにされた私は、信長の腕の中でぼんやりと周りを見渡す。
政宗さん以外のスタッフ全員が、時間が止まった様にその場を動かず、赤い顔でぼーっと私達を見ている。
「おいっ!貴様ら、ぼーっとせずに動け!次の指示は何だ?」
私を腕に閉じ込めたまま信長がスタッフにゲキを飛ばす。
その声にハッとなった編集長は慌てて口を開いた。
「あっ、セナは着替えがあります。信長さんはそのままお待ち下さい」
Bbのスタッフは、カメラマンやロケバスのスタッフ以外、ほぼ女性スタッフで構成されている(今日は光秀さんだけど、普段のメイクさんも女性が多い)。
どうやら、信長の色気に当てられたのは私だけではなかったようだ。