第24章 大人な彼との付き合い方
夏休みも終わり、いつもの日常が戻ってきた。
雑誌の撮影と、大学と、オーディションを受け続ける日々。
オーディションは相変わらず落ち続けていたけど、EtigoのMVの評判が良く、少しずつモデルとしての仕事の依頼が来るようになっていた。
そんな時、
「セナ、もっと動いて!........そう、目線だけこっち。...........いいよ、そのまま、.........オッケー」
「ありがとうございます」
本日最後の撮影が無事終了し、カメラマンさんにお礼を言って画像チェック中の編集長の元へ。
「お疲れ様でした」
「ああ、セナお疲れ。ちょっと話があるんだけどまだ時間ある?」
「はい......」
着替えを済ませて再び編集長の元へと行くと、意外な話が待っていた。
「特集?」
「そう、この次の次の号で組みたい特集なんだけど、セナにお願いしたくて......」
「何の特集ですか?」
まだ、表紙にだってなった事ないのに........
「分かりやすいと思うからタイトルから言うと、【大人な彼との付き合い方】って特集でね......」
「はぁ......」
タイトルを聞いても全然ピンとこない。
「要はね、男の人との濡れ場の特集をセナで組みたいって思ってるの」
「はぁ、濡れ場.....................って、ええっ!ぬ、濡れ場ぁっ!!」
「そう。」
編集長は涼しい顔で頷く。
「毎年この時期になると、うちの専属モデルと今旬の俳優を使って特集組んでるの知ってるでしょ?今年はセナでいきたいのよ。表紙も飾れるし、悪い話じゃないと思うんだけど......どう?」
「どうって.......」
まず信長が良いって言わないと思う。
「多分、濡れ場は事務所NGだと思います」
そしてそんな話をした途端に、なぜ断らなかったと言って、もの凄いお仕置きが待ってそうで、考えただけで身震いがした。
「実はね、今回の特集の相手役はもう目星をつけてあるの」
編集長は、その隣にいる副編集長とアイコンタクトをしてから私を見た。