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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第23章 夏休み




「そう言えば、プールの賭けでもし俺に勝てたら何を聞いて欲しかったんだ?」


思い出した様に信長が口にした。

「あー、あれは.......」

「何だ?」

ちょっと言うのが恥ずかしいけど、

「二人で一緒に撮った写真が欲しかったから、一緒に撮ってってお願いしようと思ってたの」


結局この旅行中も、信長の隠し撮り一枚だけで、二人一緒の写真を撮る事は出来なかった。

「そうか」

信長はそれ以上は何も言わずに私の手を握り目を閉じた。


何となく分かってたけど、信長は写真を撮るのは嫌なのかも知れない。

ずっとゴシップ誌に追いかけられて来た彼にとって、写真を撮ると言う行為はきっと楽しいものではないはずで......
だから、賭けに勝ったら一枚でいいから撮らせてもらおうと思ってたけど、今となっては負けてよかったと思える。
二人で写る写真は、二人の気持ちが一緒じゃなければ意味がないから。


目を閉じる信長に寄り掛かり、私も目を閉じた。



大好きな人と過ごす特別な夏休みはこうして終わりを迎えたかに思われたけど、私にはこの後2つのサプライズが用意されていた。


一つ目は、飛行機の中で目を覚ました時。

ぼーっと、とっくに起きてPCと向き合っている信長を見ながら、右手の薬指に違和感を感じて見ると、

「.............あれ?.........これ.....」

島を出る前に寄ったアクセサリー店で気になり見ていた指輪がなぜかはめられている。


「本物はまだ先だがそれまではそれをそっちの指にはめていろ」

PCから視線を外し、私を見ながら信長はそう言って笑った。


「うそ............」


私がこれを気に入っていた事に気付いてくれてた事も、いつの間にか買ってくれていた事も全然知らなかった私は、飛行機の中で感動して号泣した。



そしてもう一つは寮に戻った後。

信長は仕事へと向かい、私は自分の部屋に戻って旅行の思い出に浸ろうとスマホのアルバムを開いた。


「...........っ!」


アルバムの一番最後には、撮った覚えのない写真が一枚。

それは、飛行機の中で眠る私の指に指輪をはめながら、頬にキスをする信長と私の写真で.....


「うぅーー」

信長の優しさと愛情の深さに感動して、私の涙はしばらく止まらなかった。

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