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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第2章 XOXO



これは一体、どう言う事なんだろう.........

瞬きをしても、瞬きをしても、目の前にあるのは織田信長の顔。見過ぎて目が真ん中に寄りそうだ。

自分の唇に感じるこの柔らかい感触は一体?しかも何故かちょっと息苦しくなってきた。


「んっ、............んんっ!」

空気を求めようと顔を捩っても、いつの間にか頭をがっちりボールドされていて無理そうだ。
じゃあ体を捩って、と思っても、腰に回された手がこれまたがっちりボールドされていて何の抵抗にもならない。


キス..........してる?


やっとこの考えに行き着いた時、

にゅるっと私の唇を押し開けて、何かが入って来た。


「っ.....やっ、何!?」


その感触と初めての事に驚いて、渾身の力で社長の胸を押して離れた。


「っ、はぁ、はぁ.......な、何?」


脚がガクガクと震えて止まらない。


「キスも知らんのか。期待を裏切らん奴だ」


しれっとした顔でククッと愉快そうに笑うと、彼は私の唇をツーっと撫でた。



これがキス?

って言うか、私なんでキスされたの?


「セナ」

突然の出来事にぼーぜんとする私に再び社長の顔が近づいて来た。


またキスされる!?


「いやっ!」

社長の胸を押して、ガクガクする脚を必死で動かして部屋から逃げた。



「おいっセナ、廊下は走るな」

秀吉さんが注意してたけど、もう余裕はなくて必死で自分の部屋へと戻った。


逃げる様に部屋へと入り、何の荷解きもされていない部屋の真ん中にとにかく座って呼吸を整えた。


「あっ、お洋服忘れて来ちゃった」


逃げて来たから、脱いだ服や靴は、そのまま彼の部屋に置きっ放しだ。

でも、もう取りになんて戻れない。


付き合ってるわけでも、付き合ってくれと言われたわけでも、同意の上でもないのにいきなりされたキス。


「初めてだっだのに」


彼の唇が触れた自分の唇を触ると、じんじんと熱を持って熱い。
唇が触れるだけのキスだって初めてだったのに、あれは一体何だったんだ!?


「ァーッもう!」


恋愛ゼロ、女子力ゼロ、なのにモデルとしてこれからやっていこうと言う私にこの問題が解決できるわけもなく。


東京ライフ初日は、人生初のキスとハグを一度に経験し、波乱の幕開けとなった。

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