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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第22章 Etigo




「信長ちゃん、セナ にCM案件が来たわ」

敬太郎が資料を手に社長室へと入って来た。


「どこだ?」


「大手飲料メーカーの〔爽やか健康茶〕よ」
敬太郎はそう言うと、その内容の書かれた資料を俺に手渡した。


「でかい案件だが、そのCMの代理店は確か......」


「舶来よ」


「毛利の所か.............断れ」

もう、資料に目を通す必要はなくなり、俺は机の上に資料を置いた。


「でもこのCMは起用されれば必ず売れるって言われてるCMよ?プレスリリースも大々的にするし、webにも流される。広告出稿量も多い。セナにはチャンスなんじゃない?」

大きな案件だけに、敬太郎も諦めきれない様だ。
だが、

「................................ダメだ。毛利の所はセナには危険すぎる。今回は断れ」

タレントを食い物にする毛利にセナを会わせる訳にはいかない。過去に、何人も俺の事務所のタレントも被害に遭いこの芸能界から去って行った。


「ふぅ〜、分かったわ。じゃあ今回もセナにも話さないでおくわね」



「当たり前だ。奴に話せば、二つ返事でやりたいと言うに決まってる」

疑う事なく何にでも挑戦したがる奴だからこそ危険だ。


「でも.........かわいそうよ?本当は結構セナに案件が来てるのに、全て社長が握り潰してるなんて知ったら......」

敬太郎がセナに来た案件の一覧を見ながら残念そうに呟く。

「どれも、ワイドショーやトーク番組のゲストばかりだろう?俺とのことを根掘り葉掘り聞かれて出落ちになるのが目に見えてる」


「..........そうね。あの子に上手く誤魔化すことなんて到底無理そうだしね」


「セナが傷つく事は火を見るより明らかだ。奴の仕事は慎重に選べ。俺の女としてではなく、春海セナとしての仕事をさせてやりたい」

奴の実力だけでも本来は十分に花開いたはずだが、先に俺の女と言う色をつけてしまったのは少なからず奴が活動をする上でマイナスとなった。だがそんなのはいっときのもの、これに巻き込まれない様に守ってやりたい。


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