第21章 進化する社長室
「ふっ、そんな事気にしておったのか」
信長は安心した様に笑うと、私を優しく抱き寄せた。
「場所も、秀吉も関係ない。俺が貴様を抱きたいから抱く、それだけの事だ。それとも、まだ俺に抱かれる事に貴様が抵抗があるのなら考えるが...」
「抵抗は....ないよ?(場所は...考えてほしいけど)でも.....気を失うなんて、私...どんどんいやらしくなってない?」
抱きしめられている彼の背中に手を回して胸に頬を寄せた。
「いやらしくなどない。貴様はどんなでも可愛い」
彼の胸に頬に寄せた私の顔を少し上に向かせて、ちゅっと、涙で濡れた目頭にキスを落とす。
どんなでもって、.....やっぱりいやらしくなってるって事なんじゃ....
「本音を言えば、貴様をもっと乱してやりたい」
「えっ?」
片手で私を優しく押し倒すと、もう片方の手でソファの背もたれを倒し、フラットにした。
「えっ?これベッドになるの!?」
「あぁ、最近買い替えた」
「なっ、.....」
何で?と聞くまでもなく、答えが分かってしまったから、ただ顔が熱くなった。
「し、社長室.......私物化しすぎじゃない?」
「元々俺の私物だ。どう使おうと文句は言わせん」
オレ様に笑うと、その手はまた私のボタンに手をかける。
「なに.........してるの?」
「続きだ」
「えっ?」
「貴様が途中で意識を飛ばしたから、思うように抱けていない」
「や、私課題があるから無理だって....」
「後で手伝ってやる」
ちゅ、
「だからっ............」
「セナ、貴様が足りない」
「っ..................」
熱のこもった目でそんな言葉を言われたらもう断る事はできない。
「うーーー、本当に手伝ってくれる?」
「俺を誰だと思ってる」
悪戯に笑う顔が近づいて、唇が重なる。
「んっ」
新調したソファベッドの上で、彼の言葉通りもっと乱された私は、どんどん変化し、進化を遂げる社長室と応接室に一抹の不安を感じつつも、本日二度目の意識を飛ばした。
論文は、私が意識を失っている間に彼が書きやすいように資料をまとめておいてくれたため、何とか書き終え提出する事ができた。
でも、当分は社長室へは行かないと心の中で思った。