第19章 オレ様と私
「ふふっ」
「なぜ笑う?」
「だって、嬉しいから」
やきもちを妬く位には、私の事好きでいてくれるって事だよね?
「いつも私のご飯、どんな時も残さず食べてくれて感謝してるよ。.......信長に食べてもらいたいから、私ももっとお料理頑張ろうと思えるし。でも、今回は家康に約束したから持っていきたいんだけど.....ダメ?」
「ダメだと言っても、貴様は持っていくのだろう?」
「私のミスを家康が被ってくれたのは事実だから、お礼の気持ちも込めて持っていきたいけど、本当に信長が嫌なら持っていかないよ」
腕を組んで、彼の肩に寄り掛かった。
「............3分だ」
「えっ?」
「今から3分時間をやる。それまでに家康に渡して来い」
「う、うん。ありがとう大好き」
抱きつくと、当たり前にキスをされる。
「その代わり、戻ってきたら今夜は寝かさん。覚悟しておけ」
彼の目が、本気で寝かすつもりはないと言っていて心臓が大きく跳ねたけど、彼なりの譲歩が嬉しくて、顔に熱を感じながらも頷いて、家康にご飯を届けた。
家康は、ありがとうと言って受け取ってくれたけど、
「あの人怒らすと、また何されるか分からないから、もう持ってこなくていいよ」
と、あっさり終了宣言。
そして家康の読みは正しく、三年先まで埋まっていた彼の仕事は、何故か数日後には四年先まで埋まることになった。
「ただいま〜」
と、自分の部屋へ戻ると彼が食事の用意をしてくれていて、2人でテーブルを囲みながらご飯を食べた。
信長は、やっぱり優しい。
少し焦げた味のした煮物も、これはこれで上手いと言って全部食べてくれた。
食べ終えた後は、長い夜が始まる。
「セナ」
「ん、」
寝かせてはもらえないけど、行為そのものはとても優しくて.......
蕩けている間に朝はやってくるだろう。
「大好き」
「オレも愛してる」
人を愛する事がこんなにも幸せだと感じられるのは信長だから。
「あっ......」
彼が触れる場所全てが愛おしくて温かい。
オレ様と付き合うのは大変だし体力も必要だけど、その分倍以上の幸せを感じることが出来る。
深い口づけと、優しい愛撫、そして尽きる事なく続く注挿を受けながら、私はその夜も、幸せな気持ちで意識を手放した。