第5章 人の振り見て我が振り直せ
仕事場に着くと、案の定リィナがいた。
ジャ「リィナっ…!!」
リィナ「??………何?」
動きを止めず、返事だけ返すリィナ。
やはり、怒っていますよね……。
ジャ「…宴の時の話、シンに聞きました」
すると、リィナがビクッと反応する。
そして、ゆっくりこちらを振り返る。
目が冷たい……。
リィナ「……それで?」
ジャ「あの、す、すみませんでした!!私としたことが、酒の勢いで、き、キスをしてしまってっ………しかも、皆いる前でっ………」
必死で謝罪をしていると、リィナがクスッと笑う。
………何故、笑ってるんですか?
リィナ「……ふふっ……ジャーファル、頭上げて」
ジャ「……?」
すると、リィナが目を合わせる。
目が合ったのは、すごく久しぶりで……
許されなくても、それだけでもう幸せなような気がした。