第10章 俺はどうしたい?
(善逸Side)
あれから一月ほどが経った。
一番怪我の酷かった炭治郎はまだ目を覚まさない。
カナヲちゃんが毎日花びんの水を変えに
炭治郎の部屋へ行っている。
羨ましいなぁオイ!!
俺も暇さえあれば炭治郎の部屋に行くから、
カナヲちゃんとも会ったことあるけど
俺が話しかけても全っ然返事してくんないの!!
なんなの!?俺、なんかした!?
でも、カナヲちゃんから聞こえてくる音は
本っ当に小さくて、ものすごく小さいんだけど
炭治郎を本気で心配していて、
こっちが苦しくなるくらい悲しい音だった。
代わる代わるいろんな人が炭治郎を見舞いに来る。
伊之助、アオイちゃん、しのぶさん、隠の人たち…
みんなみんな炭治郎を心配する音がして、
優しい音だった。
炭治郎、お前は幸せ者だよ。
沢山の人がお前のことを思ってる。
あの宇髄さんが地味〜に静かになっちゃうくらいだ。
心底お前が羨ましいよ。
いろんな意味でさ。