第9章 嵐の後
懐に入れてあったお守りを取り出すと、
血で汚れてしまっていた。
「うーん、これじゃぁ
血の匂いの方が強くなっちゃってるかも…
炭治郎、どう?」
「うん、梅月さんの血の匂いが強いな」
「…??」
「炭治郎は鼻がきくんだ。
またチュン太郎に新しいお守りを届けさせるよ」
そう言うと、ポンポンと私の頭を撫でた。
鼻の奥が、ツンと痛い。
泣いてる場合じゃない。
善逸の姿を、ちゃんとこの目に
映しておかなきゃならないんだから。
「…善逸!手紙を!
手紙を書いても良いかな!?」
「…!うん!チュン太郎に渡して。
俺も書くから、必ず!」
隠の人に背負われると、
善逸、炭治郎くん、伊之助くんは遊郭を後にした。