第9章 嵐の後
「はぁぁ?炭治郎、お前何言ってんの!?
いい加減なこと言うのやめてくれる!?
俺は弱いの!!目が覚めたら羽織は血塗れ
頭も足も腕も意味わかんないくらい痛いの!!
俺が強いとか、お世辞でも言うな!!」
「俺は嘘はつかない!伊之助も見ただろう?
善逸の居合を!なんとか言ってやってくれ!
…って寝てる!?」
「グォォーーガァァーー」
二人のやりとりが面白くて
笑ってしまった。
「ふふ、炭治郎くんの言う通りね」
「えっ!?梅月ちゃんまで何言ってんの!?
頭打っちゃった??大丈夫??」
夜が明けるまで、
私たちはずっと話していた。
朝焼けが花街を照らすころ、
誰かの声が聞こえてきた。
「ごめんください!
炭治郎さん、善逸さん、伊之助さんは
こちらにいらっしゃいますでしょうか??」
“隠” の人だろうか
「梅月ちゃん、俺たちもう行くよ」
「…うん」
もう善逸とは会えなくなるかもしれない
そう思えば思うほど、何も言えなくなった。
「梅月ちゃん、藤の花のお守り
ずっと持っていてね」
「あっ…」