第9章 嵐の後
“隠” という事後処理部隊が到着するまで
怪我のひどい
善逸、炭治郎くん、伊之助くんを
京極屋で預かることにした。
旦那さんに私の命の恩人だと言うと
快く引き受けてくれた。
「だめだ。俺、横になったら
もう二度と目覚めない気がする」
「たぁぁんじろぉぉ!そんな不吉なこと言うなよ!」
「俺は山の王だからな!こんなもんかすり傷だぜ!」
三人ともひどい怪我…
怪我なんてもんじゃない。
今こうして意識を保って
話しているのも不思議なくらいだ。
「善逸、炭治郎くん、伊之助くん、
私たちを、ううん、この花街を守ってくれて
本当にありがとう。
ここにいる女の子たちはみんな、
親に捨てられたり売られたり
ここがなくなったら、野垂れ死ぬしかない。
ここだけが、私たちの居場所なの。
ありがとう…ありがとう…
みんな、生きてて良かった…」
ボロボロと涙が溢れて止まらない。
子どものように声を上げてなく私を
善逸はギュッと抱きしめてくれた。