第8章 稀血
雷の呼吸、壱の型
霹靂一閃・六連!!
誰が生きていて
誰が死んでいるのか分からない。
地面には血溜まりが数え切れないほど
残されていた。
まさにここは
地獄絵図のようだというのに、
目の前の光景から目が離せなかった。
蕨姫の帯が、稲妻の光が、善逸の声が
競うようにして迫ってくる。
光に遅れて雷鳴が轟く。
気がつくと私は善逸に抱きかかえられていた。
「ぜ…善逸!ごめんなさい、私…」
「何でこんなところにいるんだ!
梅月ちゃん、お願いだ。
君を死なせたくない。
必ず、迎えにくるから」
まだ被害の出ていない女郎屋に私を押し込むと
もう一度抱きしめて
善逸は暗闇に消えていった。