第7章 本当の姿
「…善子!?」
見間違えるはずがない。
あの閃光によく似た、キラキラと輝く髪。
長い刀を、鞘におさめる姿がそこにあった。
(どういうこと!?)
ーードゴォォォン!!
今の状況は
私に考え事をすることも許さないようだ。
次から次へと轟音が聞こえてくる。
土煙で視界を失った。
「まきを、須磨。遅れて悪かったな。
ここからはド派手に行くぜ」
煙が収まると、
奇妙な髪飾りをつけた大男が
帯を切り刻んだあとだった。
「オイィィ!!祭りの神テメェ!!
蚯蚓帯が穴から散って逃げたぞ!!」
善子とこの派手な人のおかげで助かった…
「野郎ども追うぞ!ついて来い!
さっさとしろ!!」
「まっ…待って!善子!!
善子いるんでしょう!?」
「なんだぁ?
お前、どっかのド派手な花魁じゃねーか。
動けるんなら女ども避難させろや」
大男が吐き捨てるように言う。
「梅月ちゃん!!」
その時、
私が今一番聞きたかった声が耳に届いた。