第4章 俺がするべきこと
「…ちょっとどういうこと!?
何も変わった音しないんですけど!?」
逆に怖い。何もなさすぎて。
人の声を聞きながら
女郎屋をウロウロしても、
普通の会話しか聞こえなかった。
そろそろ梅月ちゃんお稽古終わるかな。
一旦部屋に戻ろう。
襖を開けると、
梅月ちゃんがおしろいを塗っているところだった。
「あ!善子。私、これからお勤めと…
夜は蕨姫花魁に呼ばれてるから
しばらく戻れないの」
「梅月ちゃん!その蕨姫花魁って…」
「ごめんね!もう行かなきゃ…
朝露!小春!行くよ!」
梅月ちゃんは花魁道中の支度をして
バタバタと出て行ってしまった。
…これやばくない??
梅月ちゃんが
蕨姫花魁のところに行かないようにするか
俺がこっそりついていくしかないよね!?
…くそ!
今日の定期連絡は夜だ!
梅月ちゃんが動くだいたいの時間がわかれば…
「いや分かんねぇよぉぉ〜!!」
乱暴にガシガシと頭を掻き毟ると
チュン太郎が心配そうに懐から出てきた。