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【鬼滅の刃】かざぐるまの恋【我妻善逸夢】

第3章 おとぎばなし




「…梅月ちゃん。

それ、どういう意味?」



さっきまでの優しい瞳はどこかに消えてしまった。
怒りや、憎しみの強い瞳に
少しだけ恐怖を感じた。


「えっと…昔からこの辺で言われているの。

禿の子たちが夜遅くまで起きていないように

夜は鬼が出るから早く寝なさいって…

子どもたちを怖がらせるための

嘘だと思うけど…

善子?どうかした?」


「そっか…そういえば、

この部屋はもともと二人部屋だったんだよね?

もう一人いたの?」


「うん…一月くらい前に、急に居なくなって…

足抜けするって文があったの。

でも、男がいるような話は聞いたことがなかったし

おかしいなって思ってた。

ここ最近、そういう子が多くて

旦那さん困ってるわ」


善子は手を顎に当てて
何やら考え事をしている。


「そういえば、ときと屋の子も足抜けしたって

鯉夏花魁が言ってたな…」


「…!?梅月ちゃん、それいつの話!?」

「え、その子も一月くらい前かな…」


善子は何かに気づいたような顔をして
私の両肩を掴んだ。


「梅月ちゃんありがとう。

やっぱり、お…アタイ少し外に出てくるよ。

大丈夫だから。

梅月ちゃんは絶対に外に出ないでね」


まるで幼い子に言い聞かせるように言うと
善子とスズメは部屋を出て行った。


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