第3章 おとぎばなし
「チュン!チュン、チュン!」
小さな鳥が窓の向こうで鳴いている。
「入りたいの?」
窓を少し開けると、
一羽のスズメが入ってきた。
「人に慣れているのね。可愛い」
私の肩に乗ると、
小さな頭を頬にすり寄せてきた。
「ふふ、お前はどこから来たの?」
「チュン!チュン!」
一生懸命お喋りをしているようだが、
何を言っているかはわからない。
「可愛いね」
「チュン!」
会話は成立していなかったが、
スズメと遊んでいるうちに
善子が戻ってきた。
「梅月ちゃぁぁぁん!!!
戻ったよ!!ごめんね、一人にさせ…
…え゛!?!?チュン太郎!?!?」
「チュン、チュン!」
スズメは善子の元へ飛んでいった。
「その子、善子のお友達?」
「えええええっと…ま、まぁそんなところかな!?」
善子は慌てふためいている。
「ちょちょちょ〜〜っと外に出てくるね!?」
「え?こんな時間に?
だめよ、夜は “鬼” が出るんだから」