第2章 あなたと私
「え、えっと…とりあえず
お風呂にしようか!」
「ごまかさないでよぉぉ〜!!
…ってお風呂!?」
善子は急に顔を真っ赤にして
うろたえはじめた。
「汗かいたでしょ、
私が背中を流してあげる!」
「えっ?えっ?じゃ、じゃぁ〜
一緒にぃ〜入っちゃおうかなぁぁ〜」
もじもじ、くねくねしながら
だらしなく鼻の下を伸ばした善子が
おかしかった。
お風呂の支度をしようと、
綺麗な手拭いに手をかけたとき
昨夜のことが頭によぎる。
「…」
だめだ、善子とお風呂に入ったら
身体中のアザを見られてしまう。
「善子、やっぱり私…」
「ごめん、梅月ちゃん!
アタイ、お風呂は一緒に入れない!」
善子からそう言ってくれて、
正直ホッとした。
「そ、そう。じゃぁ禿(かむろ)の
朝露と小春と一緒に行ってきて。
今、呼んでくるから」
「あ、梅月ちゃん!」