第11章 :ハンジの調合薬シリーズ 〜番外編❷〜
〜リヴァイ編②〜
-食堂-
少女リンが足を踏み入れると、いつも賑やかな食堂がシンと静まり返る。
(((えっ?!)))
【待って…リンさんが抱いてるあの幼児、見た事ある気がする】
【あの目つき…何か…】
【あの人しかいないだろ!】
【でもあの人、あんなに小さ…】
【やめろ!その言葉は禁句だ!】
幼児を抱いた少女を凝視し…ヒソヒソと話す声が聞こえるが、少女はお構いなしにいつもの席に幼児を下ろし座らせる。
『ご飯2人分取って来るから、ちょっと待っててね!』
「おい!」
『分かってる。紅茶も、でしょ?』
「ふん…さすが、わかってるな。」
少女の背中を見送り、足を組んで座る幼児。
そして2人分の食事と紅茶をトレイに乗せて戻って来た少女は、幼児の前で食事の準備をする。
『あっ!リヴァイ、ご飯届く?』
(((やっぱりリヴァイ兵長なんだ!!)))
確信する兵士達。
「チッ…とどかねぇ。」
リヴァイはムスッと呟き、いつものように舌打ちする。
『どうしようか?あっ、私の膝に座る?』
「リンのひざ…」
少女は自身の柔らかそうな太腿を、ポンポンと叩き微笑む。
「乗ってやっても…」
「リヴァ〜イ!それじゃテーブル届かないと思って、クッション持って来てあげたよ!」
リヴァイの返事と同時に、ハンジがニコニコとクッションを差し出す。
「チッ!よけいなことを…」
リヴァイは小さく呟く。
『良かったね、リヴァイ!クッション下に置くから、この上に座ってね。』
リヴァイの呟きが聞こえなかったリンは、ニコニコ笑ってリヴァイの横にクッションを置く。
リヴァイはため息を吐くと、渋々クッションの上に座って食事を始めたのだった。
『リヴァイ、この後どうする?訓練は出来ないでしょ?』
「…できる、くんれんもある。」
『どんな?』
「はしる。」
『ふふ…みんなで競争してもその姿のリヴァイが、1番早かったりして。』
「きょうそう…わるくねぇ。オレよりおそかったヤツは、おしおきだな!」
リヴァイは腕を組み、椅子の背に踏ん反り返ると…こちらを見てヒソヒソ話していた兵士達を見回し、不敵に笑った。