第4章 :ハンジの調合薬シリーズ 〜チビたんとりばい❶〜
〜ヒロイン編❶〜
『リヴァイ…起きて、朝だよ。』
リヴァイの上に少女が身体ごと覆い被さり、優しく囁きながら目覚めを促す。
「リンか。俺を目覚めさせたかったら…分かってるだろ?」
『もう…リヴァイは、仕方ないなぁ。』
そう言って、少しずつ近付いて来る少女の唇…
(目覚めのキスか…悪くねぇ。)
夢の中くらい、いいだろう?
ドスッ!!
「グッ?!」
まどろんでいたリヴァイの腹筋に、突然何かが落ちて来る。
そして何度もドスドスと腹筋の上に、落ち続けていた。
『りばい!りばい!おきて!りばい!』
(なっ…何だ?!)
ガバッと上半身だけ起こすと、布団の上に小さな白いモノが乗って飛び跳ねている。
「あ"?何だ、一体?」
よく見ると…大きめの白いシャツを着た、黒髪の小さな子供だった。
「何だ?このクソガキは…」
リヴァイは幼女の首根っこを持ち上げ、目の前にぶら下げる。
『おきた?りばい!』
幼女はニッコリと笑う。
「あ?コイツ、何処かで…」
見た事ある気がする…そう続けようとしたリヴァイの言葉を遮り、勢い良く扉が開け放たれる。
「リヴァイ起きた〜リン?」
『りばい、おきた!リン、えらい?』
「そっか〜うんうん、エライよ!よ〜し、次はエルヴィンを起こしに行こう!」
『えるびん、おこす!』
幼女はリヴァイの手からパッと消え床に降りると、ハンジの方へトコトコ歩き出す。
「待ちやがれ!…お前リンか?」
歩き出した幼女を抱き上げ、目の前に掲げじっと見つめた。
確かに少女の面影がある。
『リンだよ〜!』
その答えに小さく舌打ちをし、幼女を抱き寄せると…首元に顔を埋め香りを嗅ぐ。
いつもの優しい花の香りが鼻をくすぐる。