第1章 :受難シリーズ 理性と感情の狭間で〜リヴァイ編❶〜
兵士達が寝静まる夜。
幹部達だけがまだ、書類仕事や研究で起きていた。
リヴァイは黙々と書類に目を通し、判子を押して行く。
少し一息入れようと、お茶の準備で立ち上がった瞬間…
キャァァァァァ〜!!
叫び声が兵舎内に響き渡る。
「ッ!…リン?」
誰の叫び声か一瞬で悟り、リヴァイは一目散に駆けて行く。
扉の前に着いたが、当然鍵がかかっていて開かない。
叩いてみたが…中から叫び声が聞こえるだけで、開く気配がない。
仕方がないので扉を蹴破る。
「リン!何があった?!」
『リヴァイ!!』
泣きべそをかきながら駆け寄り、抱きついて来る。
抱き止めて見下ろすと…その姿に絶句した。
「てめぇ…何て格好してやがる!」
リンの姿は…お風呂上がりのタオル1枚、身体に巻いただけだった。
しかもその姿を全く気にしていないのか、そのままリヴァイにギュッと抱きついて来る。
発育途中ではあったが、年のわりに膨よかな胸の谷間やその柔らかさ・肌の白さ・濡れた髪と身体から感じる花の甘い香りが…リヴァイの心臓をドクリと鳴らした。
「リン、とにかく服を着ろ!」
声をかけたが首を横に振るだけで、離れる気はないらしい。
リヴァイは服を着せる事を一旦諦め、何があったか聞く事にした。
「分かった…まず、何があったか話せ。」
『…脱衣所に…黒い…害虫が!!』
「ッ!まさか…奴か?!」
リヴァイが目を見開き少女を見ると、リンは首を縦に高速で振っていた。
「チッ!奴ら…お前のこの姿を見るとは、許しがたいな。」
リヴァイの顔も険しくなる。
無意識にリンの肩を抱きしめた。