【ハイキュー】キッカケはいつも君だった。【影山飛雄】
第2章 僕を見て
チーム加入騒動から幾日か経った頃の事。
「空と一与さん、まだかな……」
1人庭でオーバーハンドパスの練習をしている飛雄は、先刻空の家の前で別れた一与と空の帰りを、今か今かと待っていた。
というのは先刻、飛雄と空が小学校から帰宅すると、飛雄の家から数軒手前にある空の家の前で待っている一与から、空の両親の帰りが遅い連絡を受けた為、空の泊まりの準備をしに来たと告げられた空は、一与と共に準備をしに自身の家へと一度帰ったのだ。
その際、先に帰宅しているようにと、一与に告げられた飛雄は、時偶あるこの泊まりに、口元が緩む事を抑えられずにいた。
「飛雄ー!ただいまー!」
「……!空!」
空の声が聞こえた飛雄は、走ってくる足音の方へ視線を向けた。
一与と共に帰ってきた空は、庭へと続く窓を開け、庭にいる飛雄へと飛び付いた。
少し勢いがあった為、2人して倒れ込む様子に一与は驚くが、お互い泊まりが嬉しくてたまらないといった表情に、一与は微笑んだ。
「空、バレーしよう」
「うん!」
「その前に空ちゃん、手洗いうがいだよー!」
そんな2人の様子を見ていた一与は、空の荷物を置き、空に洗面所へ行くように促すと、空は返事をし、中へと入っていく。
飛雄は空を見送ると立ち上がり、オーバーハンドパスの練習の続きを始めた。