【ハイキュー】キッカケはいつも君だった。【影山飛雄】
第1章 君との大切な絆
飛雄と空は、同じ日に、同じ病院で生まれて、偶然にも家が近かったという事から、お互いの家を行き来するようになっていた。
だからこそ、飛雄の隣には空が、空の隣には飛雄が、常に互いの傍にいる事が当たり前になっていた。
互いの両親の帰りが常に遅い事から、一与の世話になる事が多く、一与がコーチを務めるバレーボールママさんチームに顔を出す事が常であった。
ママさん達が練習している横で、最初の頃は美羽も交えて、飛雄と空はボールに触れ続けた。
「今の見てたら昔の事思い出しちゃった」
口角を上げながらソファから立ち上がり、飛雄と空の前に来て、2人の目線に合うように屈んだ。
「2人共、本当に昔からお互いの事大好きだよね」
そんな美羽の言葉に、飛雄は頷き、空は満面の笑みを浮かべた。
「わたし、飛雄の事大好きだもん!」
そんなお互いを想い合う飛雄と空に、一与は微笑み、空の手に、先程落とした袋を握らせた。
「バレーは繋ぐスポーツ。ボールを繋いでいく事で、初めて形になる。だからこそ、離れていたって、バレーっていう絆が、飛雄と空ちゃんを繋げてくれるよ」
一与の言葉に飛雄と空は瞳を輝かせ、互いの握り合っている手を再度握り直し、一与と美羽に宣言した。
「「早くバレーやりたい!」」
そんな小さな少年少女の宣言に、一与と美羽はホッとしたように微笑んだ。