【ハイキュー】キッカケはいつも君だった。【影山飛雄】
第2章 僕を見て
あれからどのくらい眠っていたのかはわからないが、目を開けると目の前に現れたふっくらとした桃色の唇を飛雄は、今一覚醒しない意識のまま見つめ、手を伸ばした。
そっと指先で触れた唇は柔らかく、ふっくらとした果実のようで、感触を指先で感じていると、ふと1つの視線と交わった。
「飛雄……?」
「!!!!」
目の前で自分を見つめる空の視線により一気に覚醒した飛雄は、勢い良く飛び起きた。
「ごめん……」
真っ赤に頬を染め、俯く飛雄に空は起き上がり首を傾げる。
「……?よくわからないけど、うん。……あ、飛雄、おはよう」
「お、おはよう……」
「あと、ごめんね……ありがとう……」
「大丈夫……」
「…………」
「…………」
「……飛雄、いつもと違う……わたし、迷惑かけちゃったから……嫌いになっちゃった……?」
「ち、ちが……!!」
突然勘違いをし始めた空に、飛雄は俯いていた顔を勢い良く上げた。
だが、空の唇にどうしてもいってしまう自分の目に、飛雄は再び顔が火照るのを感じ、勢い良く俯いた。
そして、またもや訪れてしまった激しく鳴る自分の鼓動に、飛雄はぎゅっと目を瞑る。
「飛雄、本当にさっきからどうしたの……?」
「な、なんでもない……」
「……そうしたら何でわたしの顔、見てくれないの……?」
「…………キス、したい……」
「キス……?」
「!!!!」