第16章 ※兎と2人の悪童
灰崎「みぃつけた」
『ひっ!』
真後ろに灰崎が立っていた
花宮は夢の手を取って走り出す
『花宮君!?』
花宮「僕に着いてきて」
灰崎「ハハッ!楽しいなぁ?」
隠れて、逃げて、人気の無い路地裏まで来た
『はぁ…はぁ…も…無理…っ』
恐怖の鬼ごっこ
肩で息をする夢に花宮はニヤリと笑った
夢は灰崎から逃げるのに必死で忘れていた
花宮 真が“悪童”と呼ばれている事を
灰崎「よぉ、花宮。よくここまで連れて来れたなぁ?」
『っ!?』
花宮「フハッ!コイツを連れてくる事なんざ造作もねぇよ」
前には花宮、後ろには灰崎
逃げ場のない行き止まりの路地裏
夢はカタカタと震える