第13章 モデルの君と普通の私
『黄瀬君…泣き止んでよ…』
黄瀬「うわぁぁん!信じてくれるんスかー!?」
泣きながら訴えてくる黄瀬君に、笑ってしまう
『ふっ…ふふ…黄瀬君…酷い顔してるよ』
黄瀬「何で笑うんスか!」
泣いてる黄瀬の顔にハンカチを当てる
私はモデルの黄瀬 涼太しか見てなかった
本当の彼はこんなにも普通なのに
『ごめんね…。私も他の子達と一緒で黄瀬君を見ようとしなかったね』
黄瀬「そうっスよ…!」
わんわん泣く黄瀬君
『ねぇ…なんで私なの?』
ふとした疑問だった
誇れるものが何も無い私
そんな私の何処がいいのか分からない