第13章 モデルの君と普通の私
フワッとスカート靡かせ汚れた部分を手で押さえる
『黄瀬君!』
私は笑顔で黄瀬君に手を差し出す
本当の彼女のつもりで
黄瀬「…!はいっス」
黄瀬君もニカッと笑って手を取った
素の笑顔の黄瀬君
スカートの汚れを気にしながらも、しっかりとコンセプトに忠実
カメラマン「すっ凄い…」
「っ…!」
「…面白くない…けど、実力は本物…」
パシャリ、パシャリと写真が取られ、夕方──
カメラマン「終了です!」
『おっ終わった』
ガクガクと体が震え座り込んだ
黄瀬「大丈夫っスか!?春歌っち」
『だいじょばない…』
いや、本当に大丈夫じゃない…